毎日少しずつ空気がひんやりとして、吐く息も白くなってまいりました。皆さん、如何お過ごしでしょうか?今年の紅葉は観に行かれましたか? 私は京都・高雄の座敷で、湯豆腐で食しながら観る紅葉が大好きです。熱燗があれば、更に言うことは無いですね! またこのシーズンは、クリスマスや年末に向けて何か高揚感があります。 さて、当クリニックの最近のコンセプトは「患者様の満足度向上への挑戦」です。単に高品質の治療提供だけでなく、患者様の気になられている所や御希望をインタビューし、それを治療に反映させる事に限りなき挑戦を行っております。治療において、またはそれ以外でも御希望や御気付きの点がございましたら、お伝えいただきますよう、宜しく御願い致します。
皆さんは、車の運転で危機一髪の恐ろしい経験をされたことはありませんか?どなたでも、ふとした思いがけない些細なことからトラブルに巻き込まれてしまった経験は一度や二度はおありだと思います。それが自分にとってごく自然な言動であったり、親切を施したつもりが、いつの間にかトラブルの渦中にいて、愕然としてしまう・・。そんな誰もが様々なシチュエーションで経験していること、まさにこれを題材にしているのが、今回ご紹介させて頂くスピルバーグ監督の【激突!】です。 アメリカ郊外のハイウェイで、ある男が車を走らせていた。カーラジオのDJに耳を傾けながら、のどかな景色の中をドライブしているのだが、実は少し急いでいた。取引先へ間に合うには少し際どいかなあ、と思案していた所、目の前にノロノロ走るトレーラーが現れた。男は何気なくトレーラーを追い抜く。するとトレーラーは即座に抜き返し、前にも増してノロノロ運転で行く手を阻んできた。 「これでは時間に間に合わないよ!」強引に抜きにかかる男。阻むトレーラー。そして遂に追い抜き、上機嫌でドライブを続ける主人公。しかしそれも束の間、異常事態に陥ってしまう。トレーラーは男の車に追いつき、どんなにスピードをあげてもひたすら追いかけ、追突してくる。男が警察へ通報しようと電話ボックスに入ると、トレーラーは電話ボックスごと男を轢き殺そうとする。間一髪で逃れた男は、事態の深刻さに愕然としてしまう。 この映画は最初から最後まで、追いかけられる主人公の車と、追いかけるトレーラー、という1つの関係のみで構成されており、それ以外にはほとんど何も登場しない。にもかかわらず、観る者に【ジョーズ】や【ジュラシック・パーク】を超える強烈なスリルで迫ってきます。 この【激突!】は、S.スピルバーグ監督が無名時代(25歳の時)に、たった10時間でのロケを命じられて、撮ったものです。実際、主な登場者は主人公の男とその車、そしてそれを追うトレーラー、それから途中で立ち寄ったカフェ、ガソリンスタンド位。お金はかけず、この単純なロードムービーを、スピルバーグ監督の才智は、着眼点と構想だけで、世界でも稀に見るスリルアクション映画に仕上げてしまったのです。 日本映画は予算が無いからハリウッドにはかなわない、といった類の事はよく言われますが、この映画にこそスピルバーグ監督の凄み、非凡さが象徴されています。 さて、人間関係でも、この「激突」現象は往々にして起こりがちです。人間関係の破綻は、大事な約束を破ったとか、大喧嘩をしたとかいうものではなく、ほとんどが電話をし忘れたとか、軽い皮肉を言ったなど、実につまらないことから訪れるように思います。いや、当の本人にとって何でもない軽口のつもりが、相手の心にグサリと刺さる。ただそれが一見他愛のない会話だけに、激高することができず、心の中にジワジワと浸潤してしまう。 親しい人間関係も、思っている以上に脆弱な基盤で成り立っており、そういった気持ちの行き違いからあっけなく崩れることがあるように思います。そういったシーンを度々目の当たりにしていると、大事な人には何気ない些細なことも精一杯気配りをし、相手にサービスをし、「あなたは私にとって本当にかけがいの無い人ですよ!」と絶えず情報発信していなければなあ、と思います。「これだけのことをしたんだから大丈夫だろう」ではなく、「これだけのことをしても、まだまだわからないぞ!」と念じておいたほうが良いのかもしれません。なかなか実行するのは難しいことですが。